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Q37:4人グループが複数同時進行でのビブリオバトルで、バトラーの方が1〜2分で話が終わってしまい「あとは質問タイム」と言われました。他の3人は黙っていたのですが、「持ち時間は好きに使う」と押し切られ雰囲気が悪くなりました。このような場合どのようにしたらいいのでしょうか?ちなみに運営側の方はグループについておらず見回りもなかったです。

A37.
これは、いわゆるワークショップ型ビブリオバトルの話だと思います。ワークショップ型は、複数の少人数グループが一つのタイマーを使って同時進行するスタイルで、全体としての司会進行役(以下ファシリテータと呼びます)はいても、それぞれのグループ内に参加者とは別に司会進行役がいることは、あまりないと思います。このケースでも、いなかったようですね。

そして、質問者のグループ内の一人のバトラーが、発表時間を使い切っていないのに「私の発表は終わりです。質問を受け付けます」という行動をとったんでしょうね。それについて、グループ内の他のメンバーは「5分間を使い切らないといけないのにな・・・」と思いながら、それを口にすることができずに、雰囲気が悪くなった、ということだと推察します。

まず、発表者は必ず5分間を使い切ることが、公式ルールの詳細の2のcで定められています。このバトラーの行動が公式ルールに反していることは明らかです。「それはルール違反だよ」とグループ内で指摘し、バトラーが行動を改めるなら、それが一番良いと思います。

しかし、グループ内のメンバーは一緒にビブリオバトルに参加しているわけで、同じゲームの参加者同士がお互いのルール違反を指摘し合うというのは、なかなか難しいかもしれません。ファシリテータが、そのようなことが起きないように配慮することが、より現実的な対応になるでしょう。

その意味で、ファシリテータが各グループの見回りをしていなかった、という点は非常に気になります。ワークショップ型ビブリオバトルは進行の大部分を参加者自身に委ねるだけに、ファシリテータは、参加者がルールに則って進行しているかどうかを、きちんとチェックする必要があります。

私がワークショップ型ビブリオバトルのファシリテータをする時は、ビブリバトルの進行中に、必ず各グループを見回ります。そして、不適切な行動が見られた場合は、バトラーをチェンジするタイミングや、場合によっては進行中であっても、全体に対して、注意を促すようにしています。

ワークショップ型ビブリオバトルを最初に公に提案した者として、私の経験を元に作成した「ワークショップ型ビブリオバトル・ツールボックス」を公開しておりますので、ファシリテータをする方はもちろん、ワークショップ型ビブリオバトルに参加する方にも、参考にしていただければと思います。


by 安部 尚登







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Q36:バトラーはタイマーを見て発表してもいいのですか?

A36.
もちろん、タイマーを見て発表してもいいです。

質問者の方は、なぜこんな質問をしたのでしょうね?誰かに「タイマーを見て発表してはいけない」と言われたのでしょうか。それとも、一度もタイマーを見ないで発表しているのを見た事があるんでしょうか。

5分間の時間感覚が身についている人は、一度もタイマーを見なくても、時間ぴったりの発表ができるかもしません。でもそのことと、聴衆が「その本が読みたい!」と思うかどうか、つまりビブリオバトルの本質とは、あまり関係がないような気がします。

by 安部 尚登







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Q35:小道具で、本文の一部をスケッチブックなどに書いてきて、見せながら発表するのは大丈夫でしょうか。(例えば、俳句や詩など)

A35.
なぜ、「本文の一部をスケッチブックなどに書いてきて」発表したいんでしょうね。「本を直接見せると、著作権法に違反するのではないか?」とお考えなのでしょうか?本を直接見せることと著作権との関係については、Q34をご参照下さい。

あるいは「遠くにいる観客に見やすいように」ということなのでしょうか。「例えば、俳句や詩など」とありますが、確かに俳句や詩などは、文字の配列の仕方や、漢字かカタカナかといった表記の仕方など、音声では伝えきれない視覚的な情報も重要な要素になりそうですね。

全国大学ビブリオバトル2016のレギュレーションには、「本やエピソードを紹介するための小道具の使用は認める」とあります。重要な視覚的情報を、スケッチブックに拡大模写して遠くの観客に見せたい、という理由ならば、そのスケッチブックは「本やエピソードを紹介するための小道具」として認められるのではないか、と私は思います。

by 安部 尚登







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Q34:知人がビブリオバトル普及委員による講座を受けてきて「本を開いて紹介しちゃダメだって。特に絵本は著作権が厳しいから」と言っていました。私は本の挿絵や目次のページなどを皆に見せることもよくあったのですが、ダメだったのでしょうか?

A34.
「本を開いて紹介しちゃダメ」や「特に絵本は著作権が厳しい」という講師の発言が、どのような文脈でなされたのか、この文書だけから推測することは難しいですが、著作権については、ビブリオバトル普及委員会公式サイトの「動画アップと著作権」のページに、ビブリオバトルで本を紹介している様子を動画で公開する場合についての記述があります。お尋ねのケースについても参考になるのではないかと思いますので、ご紹介します。
ビブリオバトルは基本的に非営利で本を評論する目的で開催されており、本はその引用で、出典として明示されるという状況にありますので、著作権法には触れないと考えられます。
上記の記述からも、ビブリオバトルにおいて本の挿絵や目次のページを観客に見せる行為が、直ちに著作権法に抵触するとは言えないのではないか、と私は考えます。

by 安部 尚登







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Q33:先日参加したビブリオバトルで、宗教関係の本を紹介している人がいました。宗教の勧誘をされているように感じて、なんだかなぁと思ったのですが、ビブリオバトルでは、こういう本を紹介するのもアリなんですか?

A33-1.
主催者でテーマ設定をしていたり,学校現場でマンガはNGということはありますが,基本的にビブリオバトルの選書は自由です。観客に受け入れられるかは別にして,純粋にその本を紹介したいというのであればよいのではないでしょうか。

ちなみに,全般の注意事項として主催者が「マルチ商法や宗教の勧誘などの活動は禁止」とうたっている場合があります。反社会的,公序良俗に反するものが見られる場合は主催者にも対応を求めつつ,参加するみなさんが楽しい時間を過ごせるよう,全員でその場を作り上げていって頂ければと思います。

by 海川 由美子






A33-2.
アリかナシかで言えば、アリだと思います。

ビブリオバトルは、本の紹介者が「自分の好きな本」を紹介します。つまり、それが宗教関係であれ何であれ、紹介者には「選書の自由」があるわけです。聴衆は「自分が最も読みたくなった本」を選択します。つまりそれが宗教関係であれ何であれ、聴衆にも「選書の自由」があるわけです。

紹介者・聴衆双方の「選書の自由」を最大限に認めるという意味で、ビブリオバトルで紹介される本に制限を加えることは、極力避ける(最小限度に留める)べきだと私は考えます。

また、ビブリオバトルは「最も多くの聴衆から選ばれた本が勝つゲーム」でもあります。言い換えれば、勝つためには、より多くの聴衆に「読みたい」と思ってもらえる本を紹介しなくてはなりません。ゲームに勝ちたいという気持ちが「場に適した本を紹介する」ことを促します。

参加者の行動を直接的に規制することよりも、参加者が自ら適した行動をするように促す(参加者の自律性を促進する)ことに比重を置いたルール設定になっていることが、ビブリオバトルというゲームの特徴の一つです。そのことを是非ご理解いただければと思います。

by 安部 尚登







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Q31:紹介の途中に中座した参加者は投票権がないと考えるべきですか?ゲーム途中で電話、あるいはトイレ等で中座をした人は投票に参加させないとするべきでしょうか?

A31-1.
これは中座だけでなく、遅刻して参加した場合にも共通する問題ですね。

ビブリオバトルは「本の紹介を聞いて、一番読みたくなった本に投票する」ゲームですから、そのビブリオバトルで紹介された本について、どれか1冊でも紹介を聞いていない本があったら、聞いていない人は、そのビブリオバトルにおいて、投票するべきではない、と私は考えます。

ただし、全く聞いていないわけではなく部分的には聞いていた場合などは、判断が難しいところですね。

ご質問の「投票に参加させない」という表現は、おそらく司会者の振る舞いを指しているのだろうと推測します。

ビブリオバトルは、参加者自身の善意と自律性によって、ルールを適用していくゲームです。その意味で、このケースにおいて「投票に参加する権利があるかどうか」を判断するのは、司会者よりも参加者自身である方が、よりビブリオバトルらしくなるのではないでしょうか。

by 安部 尚登








A31-2.
参加者はゲームの最後に1票を投じるので,バトル中,発表を聞く姿勢が求められるというのがルールの根底にあります。そういう意味では遅刻や中座した人には投票権がないというのが本来あるべき姿です。

ただ,開催形態によってその徹底が求められる場合もあれば,そうでないこともあるかもしれません。

ゲームのはじめに「すべての発表を聞いた方にのみ投票権があります」ということはアナウンスし,厳密にする場合は投票用紙の事前配布や部屋の入退室の管理をする,ゆるくされる場合は参加者の自主性に任せる,という形でもいいかと思います。

by 海川 由美子





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Q30:ビブリオバトルの投票の際、司会者は投票するのですか?

A30-1.
司会者を除外すべき、というルールはありません。ただ、運営の都合上、司会者を除外するケースがありますが、ローカルルールとして、許容されている範囲と考えて下さい。

by 滝 直哉


A30-2.
公式ルールでは、参加者全員で投票を行うことになっています。従って、司会者が投票するかどうかは、司会者が「参加者」であるかどうか、によって判断されるべき問題だと思います。司会者が「参加者ではない」なら投票することは適当でないでしょうし、「参加者である」なら投票の権利を妨げるべきではないでしょう。

私自身は、イベント型(発表者と聴衆に分かれるスタイル)やワークショップ型(全員が発表し合う少人数グループが、複数同時進行するスタイル)で司会をする場合、特に規定がなければ、「参加者ではない」というスタンスで臨みます。投票には参加しませんし、ディスカッションにも参加しません(発表者に自分が質問することは避けます)。

しかし、コミュニティ型(少人数で全員が発表するスタイル)で司会をする場合は、「参加者である」というスタンスで臨みます。投票にもディスカッションにも参加しますし、基本的に本の紹介もします。

たぶんコミュニティ型だと、自分が司会をしているという意識が薄くなるからでしょう。そして歴史的経緯から見て、コミュニティ型がビブリオバトルの原型であり、そこには「司会者」という存在が想定されていなかったのではないか、という気がします。

by 安部 尚登







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Q28:発表者が観戦者に質問を投げかけながら本を紹介するということはよいでしょうか?紹介の冒頭で観戦者全体に「この本を読んだことがある人?」程度ならよいかなと思うのですが、特定の人に「あなたはどう思いましたか?」と投げかけるような紹介のしかた・進め方が続く場合、進行役が制した方がよいでしょうか?

A28-1.
ビブリオバトルは、自分が読んでおもしろかった本を5分で紹介するのが基本です。聴衆者を巻き込む発表を最初から行うのは、やはりルールから逸脱している気がします。

この場合は、進行役が間に入り、「聴衆者とのやりとりは質疑応答で楽しんでください」と声をかけたらいかがでしょうか?

by 木下 道子







A28-2.
なかなか難しいケースですね。発表時間の5分間は「発表者の時間」であって、その使い方は基本的に発表者に任されている、と私は認識しています。特定の人に「あなたはどう思いましたか?」と投げかける、という発表の仕方も、その意味において、直ちに禁止されるべき行為ではないと考えます。

ただし、ずーっと特定の人だけを相手にしているかのような発表の仕方をされると、それ以外の観戦者はシラけるでしょうし、投げかけ方のニュアンスによっては、その特定の人が困ってしまうなど、場の雰囲気が悪くなる可能性はあります。

私が司会者なら、そのようなケースでは「特定の人ではなく、みなさんに、その本を紹介して下さい」と発表者に伝えます。

ビブリオバトルの一つの特徴は「観戦者が、各自の自由な判断によって、チャンプ本の投票をする」という仕組みが、そのコミュニティにとって最適な本と、本の紹介の仕方を、自律的に規定する点にあります。

場の雰囲気を良好なものに保つために、司会者の介入が必要な場合もありますが、私自身は「観戦者たちの自律的な判断」を信頼して、なるべく介入を少なくするように、心がけています。

by 安部 尚登







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Q27:質疑応答(ディスカッションタイム)の時、質問が全く出なかった場合、どう対処すれば良いの?

A27-1.
「どう対処すればいいの?」という表現から、イベント型(発表者と聴衆が分かれているスタイル)の司会者としての質問であると推測して、お答えします。

ディスカッションタイムに質問がなかなか出ないと、司会者として、焦りますよね?私も司会者をしていて、同様の経験をしたことが何度かあります。「司会者自身が質問する」というのが、最も一般的な対処方法かと思いますが、個人的には、この方法はオススメしません。

私は、ビブリオバトルというゲームにおいて司会者は、進行役であってプレイヤーではない、と認識しています。そして「質問する」という行為は、プレイヤーとしてゲームに参加する行為である、とも認識しています。進行役である司会者は、プレイヤーとしてゲームに参加する行為は極力避けるべきである、と私は考えます。

イベント型ビブリオバトルで、司会者はバトル開始前に、発表者たちを集めて進行の打ち合わせをしますよね?その時に、

「みなさん、自分が一生懸命発表した後のディスカッションタイムに全然質問が出なかったら、私の発表が良くなかったのかしら、って不安になりますよね。だから他の人のディスカッションタイムに質問がなかなか出なかったら、発表者の気持ちが分かる皆さんが率先して、質問してあげて下さい」

と発表者たちにお願いしてみて下さい。きっと、ディスカッションタイムが良い雰囲気になるでしょう。

by 安部 尚登








A27-2.
私も司会をしていて観戦者の反応はドキドキしながら見ています。私は司会をしていて質問が出ないときは、司会をしながらですが発表者に質問を投げかけています。

初めて観戦する人たちにとって、質問の時間は「どんな質問をすればよいのだろう?」と思い、質問にしり込みしてしまうこともあると思います。

そのようなこともあるので、発表者への質問ではあるものの、司会が観戦者に「みせる」質問をしています。
「大好きな本と話していましたが、これまでに何度くらい読みましたか?」
「あなたは、登場人物のだれに共感していますか」
などなど。

また、開会時の全体への説明のときには、「発表者だけではなく、会場のみなさんも参加してこの時間を楽しくしていきましょう!」と呼び掛けています。

発表の時間だけではなく、ディスカッションの時間も楽しい時間にしていきたいですね。

by 東 雅宏







A27-3.
ワークショップ型でビブリオバトルを行う場合は、最初に「質問が大切です。いっしょのグループのみなさんの話をよく聞いて、質問をどんどん出しましょう」と事前に促します。

イベント型の場合は、司会者が質問を出して、会場から質問が出やすい雰囲気になるように心がけます。

ビブリオバトルは自分の発表だけでなく、人の発表を聞いて、ディスカッションすることがとても大切です。聴衆者もお客さんにならずに、積極的に参加しましょう。

by 木下 道子







A27-4.
ディスカッションタイムはなぜあるのか、ということをまず考えてみましょう。5分間で発表者が紹介しきれなかったところ、また、観戦者がもっと踏み込んで聞きたいところ、その情報を手に入れるための時間なのです。

ビブリオバトルは、単なる書評会ではありません。「本を通して人を知る、人を通して本を知る」ことが、ビブリオバトルの楽しみです。

観戦者から質問が出なかった場合、司会者から「本についてだけでなくてもいいんですよ、この本とどこで出会ったか、とか、誰かに勧めたか、とか、普段はどんな本を読んでますか、とか、(発表本が恋愛小説なら)発表者の方の恋愛観は?とかでも大丈夫です。何か質問ありませんか^^」と観戦者からの質問を促しましょう。

出来れば、ビブリオバトルが始まる前のルール説明の時に、質問についてのこういった説明も入れて、質疑応答のハードルを下げておくとよいですね。

それでも観戦者から質問が出なければ、司会者の腕の見せ所です。次の発表の時に観戦者からスムーズに質問が出るように、見本となるような質問をしてください。これも司会の醍醐味です。

その場を盛り上げるような、みんながそうそう、それが聞きたかった!と思えるような、紹介本の魅力を引き出すようなスマートな質問をしてみてください。リラックスして、会場みんなで楽しみましょう。頑張ってください。

by 川西 香子

O26:大規模なイベント型で、全員のディスカッション参加が難しい場合、投票は全員で、質問できる人は限定、という形で行っても大丈夫でしょうか?

A26-1.
結論から先に申し上げると、質問できる人を限定することは好ましくないと思います。

公式ルールではディスカッションタイムは2分〜3分と定められています。この時間内にディスカッション(質疑応答)に参加できるのは、多くても6名程度でしょう。それ以上の参加者がいる場合、全員がディスカッションに参加することは、確かに困難です。

だからといって質問できる人を「限定」すること(質問する権利を予め一部の人だけに付与すること)は、他の参加者の「その本について十分に知る権利」を制限することにつながるので、好ましくないと私は思います。

参加者が多くなっても、全員がディスカッションに参加できるようにするには、イベント型ではなく、ワークショップ型(少人数のグループを複数作って、同時進行するスタイル)で実施することをおススメします。

1グループあたり3名〜4名にすれば、時間的にも雰囲気的にも、無理なく全員がディスカッションに参加できるのではないでしょうか(もちろん、参加者には質問しない自由もあります)。

ワークショップ型ビブリオバトルの実施にあたって、ネット上で無料で入手できるツールには「ワークショップ型ビブリオバトル・ツールボックス」などがあります。

by 安部尚登










A26-2.
参加人数に関わらず,質問したい人が全員質問できるとは限りません。会場設営上の理由であれば,対応策は色々考えられると思いますので(マイクを持って走り回る,質問者に前に出てきてもらう,等),ディスカッションも全員参加を前提でゲームを進めましょう。

また,ゲーム終了後に参加者同士が気軽に話をできる場を設けておくと,ゲーム内では出来なかった話でさらに盛り上がり,交流も深まるのでおすすめです。

by 海川由美子





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Q25: 公式ルールとは違う「ビブリオバトル」が開催されていました。どうしたらいいですか?

A25.
対応が難しいですよね。単なるクレーマーと思われるリスクなどを考えると、「本当は違うんだけどなぁ・・・」と思いつつも、何もできないケースも多いかと思います。

ビブリオバトルは「本の紹介コミュニケーションゲーム」です。ゲームはルールを守ることによって成立します。ルールを変えてしまったら、それは「別のゲーム」です。公式ルールを守るからこそ「ビブリオバトルらしさ」や「ビブリオバトルの良さ」が生まれます。ビブリオバトルを主催する方には、この点を是非ご理解いただきたいですね。

たくさんのイラストを使って分かりやすく説明してある書籍もありますので、もしお持ちであれば、それを見せながら説明するという方法もあるかと思います。関連書籍については公式サイトをご確認ください。

また、ビブリオバトル普及委員会は「ビブリオバトルは公式ルールを守っていただく場合に限り、どなたでも開催できます」としており、ビブリオバトルの名称利用についてのガイドラインを設けています。主催している方にお伝えするかどうかはケースバイケースでしょうが、この点についても、ご留意いただければと思います。

by 安部尚登







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Q24: ビブリオバトルのポスターやチラシ、参加者への配布物などに使える素材は、どこで入手できますか?

A24.
ポスターやチラシに使えるロゴマーク、イラスト、ルールを説明するチラシ、聴衆用のメモ用紙や投票用のカードなど、さまざまな素材が、ビブリオバトル普及委員会公式サイトの「ビブリオバトル素材集」のページで紹介されています。それぞれの素材ごとに、作成者が定めた使用条件が異なりますので、ご利用の際はそれぞれの使用条件に従ってください。

by 安部尚登

Q23: ビブリオバトルで使うタイマーは、どこで入手できますか?

A23.
パソコン用やiPad用など、さまざまなタイマーが、ネット上で公開され、誰でもダウンロードできるようになっています。ビブリオバトル普及委員会公式サイトの「タイマー情報」のページでも多数紹介されていますので、まずはそちらをご覧になってみて下さい。

それ以外では、PowerPointでビブリオバトルオリジナルタイマーを作る方法を紹介しているサイトもあります。上記のサイトでは、サンプルをダウンロードすることもできます。

by 安部尚登

Q22: ビブリオバトルを企画するときに、どのような準備をしたらいいでしょうか?

A22.
対象者は誰なのか、どのようなねらいで開催するのか、などによって変わってくるので、どのような準備がふさわしいか、一概には言えないと思いますが、ビブリオバトルの準備と開催に便利な「ビブリオバトル主催者のための道具箱」というツールがあるので、これをお使いになってみてはいかがでしょうか?

「ビブリオバトル主催者のための道具箱」は、
ビブリオモデルプロモーション
進め方シート
フィードバックシート
の3つから構成されています。お尋ねのような企画・準備段階では「ビブリオモデルプロモーション」が助けになるでしょう。司会者には「進め方シート」、バトラー(本の紹介者)には「フィードバックシート」が助けになると思います。

by 安部尚登







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Q21. ビブリオバトルを企画したいのですが、バトラー(本の紹介者)が集まるか、心配です。どうしたらいいですか?

A21-1.
まだ詳細が決まっていないという前提でお答えします。まず、イベント型(本の紹介者が聴衆の前に出て紹介するスタイル)ではなく、コミュニティ型(少人数でテーブルを囲んで、参加者全員が本を紹介し合うスタイル)か、ワークショップ型(少人数のグループを複数作って、それぞれのグループ内で、参加者全員が本を紹介し合うスタイル)のビブリオバトルを企画することをおススメします。

イベント型だと、大きなプレッシャーがかかるので、「バトラーをやってみよう」と思う人が少ないですが、コミュニティ型またはワークショップ型なら、2名〜3名程度に紹介するだけなので、バトラーがあまりプレッシャーを感じなくて済みます。

さらにイベント型だと、バトラーと聴衆が分かれてしまう(聴衆はバトラーにならない)ので、どうしても聴衆の参加意識がバトラーよりも低くなりがちで、参加者同士の一体感が生まれにくいですが、コミュニティ型またはワークショップ型なら、参加者全員がバトラーと聴衆を両方経験するので、初めての人同士でも一体感が生まれ、参加者の満足度が非常に高くなりやすいです。

次に、イベントの告知文ですが、

・「ビブリオバトル」「紹介したい本」「発表」などの文言はあえて前面には押し出さず、「少人数でワイワイ」「好きな本を教え合う」「楽しいゲーム」のような文言を使う
・本のジャンルは問わない。「マンガや絵本、写真集もOK!」などのように、「本」の固定概念を積極的に崩す
・ゆるくテーマを決める。たとえばテーマを『春』にして「タイトルに『春』が入っていなくても、あなたが『春』を感じる本ならOK!その本がどのように『春』なのかも、教えてくださいネ」などと告知する

以上のような方法が、より多くの人に参加してもらうためには有効なのではないかと、個人的には思います。

by 安部尚登








A21-2.
イベントで開催する際に、バトラーのエントリーは気になりますね。初めての開催、あるいは開催数がまだ少ない場合はなおさらだと思います。

私は中学校で中学生とおとなによるビブリオバトルを、生徒から3名、おとなは2名とだいたいの枠を決めて開催してきています。生徒からのバトラーは、生徒会や図書委員会所属の生徒に絞っています。

年度の初めは特にそうですが、ビブリオバトルを観戦したことがない生徒も多いので、バトラーを決める前に、ビブリオバトルってこういうものですよ、と事前に生徒会や図書委員会の集まるときに話をした上で生徒同士でだれが出るかを決めてもらっています。

おとなの方は、バトラーになってくれそうな人に声をかけています。毎回同じ人ではなく多くの人に本を紹介してもらえるように、今回は観戦、次回はできれば紹介、というような声かけです。

ビブリオバトルの終了時には参加者全員に記名で感想を書いてもらっていますが、感想とあわせて、次回も観戦したい、紹介してみたい、運営のお手伝いをしてみたい、などの意向もとっています。そういったものも次の開催の参考にしています。

回数を重ねるにつれ、本を紹介してみたいという生徒も増えてきて、生徒だけのビブリオバトルにも発展してきています。少しずつビブリオ・ファンを増やしていき、「自分も紹介したい!」と思わせるようにしていきたいですね。

by 東 雅宏







Q20. 同じ本が複数の紹介者によって紹介された場合,どうすればいいでしょうか? 投票時には,どのように選べば良いのでしょうか?

A20.
ビブリオバトルは基本的に、最も読みたくなった「本」に投票しますが、自分が最も読みたくなった本が複数の紹介者によって紹介されていた場合には、「どの紹介で最も読みたくなったか」で投票することになります。

by 安部尚登

Q9.なぜ、読書でバトルなんかしなくてはいけないのですか? 本は一人で静かに読むものでしょう。

A9-1.
おっしゃるように、読書にはバトルは必要ありません。
ビブリオバトルはその読書をゲームにしたものです。
ゲームになったことで、たくさんの人と本の内容を共有しあったたり、面白そうな本を見つけることができるのです。
たとえば、自分ではおよそ手に取ることがなかったような本と出会うこともできるわけです。

そのほかにも、いろいろな楽しいしかけがしてありますので、ぜひ一度ビブリオバトルに参加してみてください。

by 粕谷亮美






A9-2.
「本は一人で静かに読むものなのに、みんなで本のバトルなんかしたくない」というお気持ちかと推察いたします。ビブリオバトルはゲームです。ゲームは参加者の「ゲームに参加したい」という自由意志によって成立します。ですので、バトルしたくない方は参加しなくていいわけですが、質問者の方は参加せざるを得ない事情が何かおありになるのかもしれませんね。自分のやりたくないことをしなければいけない状況なのだとすれば、それは大変お辛いことでしょう。

なぜ単なる紹介ではなくバトル形式になっているかという疑問については、「バトルにすることによって、より良い紹介が促進されるから」だと、私は考えます。聴衆にチャンプ本として選ばれるということは、「他のどの本よりも、その本が読みたい!」と、最も多くの聴衆に思ってもらえた、ということです。このルールと「ゲームに勝ちたい」という紹介者のモチベーションが、より多くの人に「ぜひ読みたい!」と思ってもらえるような紹介をすることを、紹介者に促すわけです。

余談ですが、今よりもずっと本が貴重なものであった昔、本は一人で黙読するものではなく、大勢の前で音読するものだった、という話を聞いたことがあります。ビブリオバトルは、本、または知識というものが持っている公共財的性質を、再び顕在化させる試みの一つになっているかもしれませんね。

by 安部 尚登

Q3. ディスカッションタイムのとき、質問ではなく自分の意見を述べたり、発表内容を暗に批判するような質問をする参加者に対して、司会者はどのように対応したらいいでしょうか?

A3.
なかなか難しいケースですよね。ルールの補足3aには
発表内容の揚げ足をとったり,批判をするようなことはせず,発表内容でわからなかった点の追加説明や,「どの本を一番読みたくなったか?」の判断を後でするための材料をきく.
とありますが、これはいわば「紳士協定」であって、特にその参加者が発表者ではなかった場合、このルールに反したからといって何らかの不利益を被るわけでもありませんから、司会者としては、ゲームが始まる前に丁寧にルール説明をして、趣旨を尊重していただけるようお願いするぐらいのことしか、できないのかもしれません。

あるいは、少し考え方を変えて、「趣旨に反する言動をしづらい環境を設定する」というのも1つの手だと思います。たとえばビブリオバトル・カード http://www.p-cd.org/2013/11/bb-card.html というツールがあります。これは全ての参加者が、紹介された全ての本について、面白そうなところを2つずつコメントするカードです。つまり、「全ての紹介本について、必ずポジティブなフィードバックをする」というミッションを全参加者に与えることになるので、ディスカッションタイム(を含む、そのビブリオバトル全体)において、ミッションと矛盾する言動をしづらくなります。このようなツールを導入することも、1つの方法かと思います。

by 安部尚登

Q1. なぜ勝敗を決めなくてはならないのですか?

A1-1.
 ビブリオバトルにおいて、勝敗は実はそれほど重要な要素ではありません。自分が紹介した本がチャンプ本にならなかったからといって、その本が他よりも劣っているというわけではありません。その逆も真です。

 勝敗を決める本当の目的は、どの本が読みたくなったかを「参加者全員が」投票で決めるというプロセスを作り出すことにあります。それによって、対等なコミュニケーションの場を作り、自分の読みたい!という気持ちを正直に表明できるようになる効果が生じます。

by 常川真央


A1-2.
端的に言えば,それがルールだからです。もう少し言えば、ビブリオバトルがゲームだからであり、勝敗を決めることはゲームの本質だからです。「勝ちたい」というモチベーションが紹介者にその本をより良く紹介させる、そのためのコミュニケーションのゲーム化である、と私は理解しています。

by 安部尚登