Q37:4人グループが複数同時進行でのビブリオバトルで、バトラーの方が1〜2分で話が終わってしまい「あとは質問タイム」と言われました。他の3人は黙っていたのですが、「持ち時間は好きに使う」と押し切られ雰囲気が悪くなりました。このような場合どのようにしたらいいのでしょうか?ちなみに運営側の方はグループについておらず見回りもなかったです。

A37.
これは、いわゆるワークショップ型ビブリオバトルの話だと思います。ワークショップ型は、複数の少人数グループが一つのタイマーを使って同時進行するスタイルで、全体としての司会進行役(以下ファシリテータと呼びます)はいても、それぞれのグループ内に参加者とは別に司会進行役がいることは、あまりないと思います。このケースでも、いなかったようですね。

そして、質問者のグループ内の一人のバトラーが、発表時間を使い切っていないのに「私の発表は終わりです。質問を受け付けます」という行動をとったんでしょうね。それについて、グループ内の他のメンバーは「5分間を使い切らないといけないのにな・・・」と思いながら、それを口にすることができずに、雰囲気が悪くなった、ということだと推察します。

まず、発表者は必ず5分間を使い切ることが、公式ルールの詳細の2のcで定められています。このバトラーの行動が公式ルールに反していることは明らかです。「それはルール違反だよ」とグループ内で指摘し、バトラーが行動を改めるなら、それが一番良いと思います。

しかし、グループ内のメンバーは一緒にビブリオバトルに参加しているわけで、同じゲームの参加者同士がお互いのルール違反を指摘し合うというのは、なかなか難しいかもしれません。ファシリテータが、そのようなことが起きないように配慮することが、より現実的な対応になるでしょう。

その意味で、ファシリテータが各グループの見回りをしていなかった、という点は非常に気になります。ワークショップ型ビブリオバトルは進行の大部分を参加者自身に委ねるだけに、ファシリテータは、参加者がルールに則って進行しているかどうかを、きちんとチェックする必要があります。

私がワークショップ型ビブリオバトルのファシリテータをする時は、ビブリバトルの進行中に、必ず各グループを見回ります。そして、不適切な行動が見られた場合は、バトラーをチェンジするタイミングや、場合によっては進行中であっても、全体に対して、注意を促すようにしています。

ワークショップ型ビブリオバトルを最初に公に提案した者として、私の経験を元に作成した「ワークショップ型ビブリオバトル・ツールボックス」を公開しておりますので、ファシリテータをする方はもちろん、ワークショップ型ビブリオバトルに参加する方にも、参考にしていただければと思います。


by 安部 尚登







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