「どう対処すればいいの?」という表現から、イベント型(発表者と聴衆が分かれているスタイル)の司会者としての質問であると推測して、お答えします。
ディスカッションタイムに質問がなかなか出ないと、司会者として、焦りますよね?私も司会者をしていて、同様の経験をしたことが何度かあります。「司会者自身が質問する」というのが、最も一般的な対処方法かと思いますが、個人的には、この方法はオススメしません。
私は、ビブリオバトルというゲームにおいて司会者は、進行役であってプレイヤーではない、と認識しています。そして「質問する」という行為は、プレイヤーとしてゲームに参加する行為である、とも認識しています。進行役である司会者は、プレイヤーとしてゲームに参加する行為は極力避けるべきである、と私は考えます。
イベント型ビブリオバトルで、司会者はバトル開始前に、発表者たちを集めて進行の打ち合わせをしますよね?その時に、
「みなさん、自分が一生懸命発表した後のディスカッションタイムに全然質問が出なかったら、私の発表が良くなかったのかしら、って不安になりますよね。だから他の人のディスカッションタイムに質問がなかなか出なかったら、発表者の気持ちが分かる皆さんが率先して、質問してあげて下さい」
と発表者たちにお願いしてみて下さい。きっと、ディスカッションタイムが良い雰囲気になるでしょう。
by 安部 尚登
A27-2.
私も司会をしていて観戦者の反応はドキドキしながら見ています。私は司会をしていて質問が出ないときは、司会をしながらですが発表者に質問を投げかけています。
初めて観戦する人たちにとって、質問の時間は「どんな質問をすればよいのだろう?」と思い、質問にしり込みしてしまうこともあると思います。
そのようなこともあるので、発表者への質問ではあるものの、司会が観戦者に「みせる」質問をしています。
「大好きな本と話していましたが、これまでに何度くらい読みましたか?」
「あなたは、登場人物のだれに共感していますか」
などなど。
また、開会時の全体への説明のときには、「発表者だけではなく、会場のみなさんも参加してこの時間を楽しくしていきましょう!」と呼び掛けています。
発表の時間だけではなく、ディスカッションの時間も楽しい時間にしていきたいですね。
by 東 雅宏
A27-3.
ワークショップ型でビブリオバトルを行う場合は、最初に「質問が大切です。いっしょのグループのみなさんの話をよく聞いて、質問をどんどん出しましょう」と事前に促します。
イベント型の場合は、司会者が質問を出して、会場から質問が出やすい雰囲気になるように心がけます。
ビブリオバトルは自分の発表だけでなく、人の発表を聞いて、ディスカッションすることがとても大切です。聴衆者もお客さんにならずに、積極的に参加しましょう。
by 木下 道子
A27-4.
ディスカッションタイムはなぜあるのか、ということをまず考えてみましょう。5分間で発表者が紹介しきれなかったところ、また、観戦者がもっと踏み込んで聞きたいところ、その情報を手に入れるための時間なのです。
ビブリオバトルは、単なる書評会ではありません。「本を通して人を知る、人を通して本を知る」ことが、ビブリオバトルの楽しみです。
観戦者から質問が出なかった場合、司会者から「本についてだけでなくてもいいんですよ、この本とどこで出会ったか、とか、誰かに勧めたか、とか、普段はどんな本を読んでますか、とか、(発表本が恋愛小説なら)発表者の方の恋愛観は?とかでも大丈夫です。何か質問ありませんか^^」と観戦者からの質問を促しましょう。
出来れば、ビブリオバトルが始まる前のルール説明の時に、質問についてのこういった説明も入れて、質疑応答のハードルを下げておくとよいですね。
それでも観戦者から質問が出なければ、司会者の腕の見せ所です。次の発表の時に観戦者からスムーズに質問が出るように、見本となるような質問をしてください。これも司会の醍醐味です。
その場を盛り上げるような、みんながそうそう、それが聞きたかった!と思えるような、紹介本の魅力を引き出すようなスマートな質問をしてみてください。リラックスして、会場みんなで楽しみましょう。頑張ってください。
by 川西 香子