Q9.なぜ、読書でバトルなんかしなくてはいけないのですか? 本は一人で静かに読むものでしょう。

A9-1.
おっしゃるように、読書にはバトルは必要ありません。
ビブリオバトルはその読書をゲームにしたものです。
ゲームになったことで、たくさんの人と本の内容を共有しあったたり、面白そうな本を見つけることができるのです。
たとえば、自分ではおよそ手に取ることがなかったような本と出会うこともできるわけです。

そのほかにも、いろいろな楽しいしかけがしてありますので、ぜひ一度ビブリオバトルに参加してみてください。

by 粕谷亮美






A9-2.
「本は一人で静かに読むものなのに、みんなで本のバトルなんかしたくない」というお気持ちかと推察いたします。ビブリオバトルはゲームです。ゲームは参加者の「ゲームに参加したい」という自由意志によって成立します。ですので、バトルしたくない方は参加しなくていいわけですが、質問者の方は参加せざるを得ない事情が何かおありになるのかもしれませんね。自分のやりたくないことをしなければいけない状況なのだとすれば、それは大変お辛いことでしょう。

なぜ単なる紹介ではなくバトル形式になっているかという疑問については、「バトルにすることによって、より良い紹介が促進されるから」だと、私は考えます。聴衆にチャンプ本として選ばれるということは、「他のどの本よりも、その本が読みたい!」と、最も多くの聴衆に思ってもらえた、ということです。このルールと「ゲームに勝ちたい」という紹介者のモチベーションが、より多くの人に「ぜひ読みたい!」と思ってもらえるような紹介をすることを、紹介者に促すわけです。

余談ですが、今よりもずっと本が貴重なものであった昔、本は一人で黙読するものではなく、大勢の前で音読するものだった、という話を聞いたことがあります。ビブリオバトルは、本、または知識というものが持っている公共財的性質を、再び顕在化させる試みの一つになっているかもしれませんね。

by 安部 尚登